各社レンタルサーバーのSSL機能の違いとは?
管理者(root)権限のあるサーバーではSSLサーバー証明書(以下、SSL証明書)は自由にインストールできますし、ワイルドカード証明書やマルチドメイン証明書も利用できます。一方、管理者権限の無いレンタルサーバーでは、他社で購入したSSL証明書は利用できず、同社で販売されているSSL証明書を購入する必要があったり、DV(ドメイン認証型)証明書しかインストールできなかったりといった制限があります。そういった”借りるときには気づかない”レンタルサーバーのSSL機能の違いをまとめてみました。
自社ブランドの証明書しか利用できない/他社で購入した証明書の持ち込みができない
他社で購入した証明書のインポートができない仕様になっており、指定されたブランド、価格の証明書を購入しなければいけない場合があります。この場合、サイトをSSL化するには指定された証明書を購入するしかありません。無料SSL機能があれば良いですが、高価な証明書のみ指定されている場合もありますので、注意する必要があります。もし証明書の持ち込みができないレンタルサーバーを検討している場合は、無料SSL機能の有無、指定された証明書の価格を事前にチェックしておきましょう。
ワイルドカード証明書やマルチドメイン証明書が利用できない
ワイルドカード証明書やマルチドメイン証明書など、いわゆる便利だけど少し特殊な証明書が利用できない場合があります。ワイルドカード証明書が利用できないレンタルサーバーの場合、サブドメインの多いサイトはサブドメイン数だけの証明書が必要になるため、費用がかさんでしまいます。
無料SSL機能が提供されていない
ここ数年で無料SSL機能が備わったレンタルサーバーも増えてきましたが、当然提供されていないレンタルサーバーもあります。多くのレンタルサーバーではSSL証明書の販売が貴重な収益源となっており、無料SSL機能を備えるとその売上が下がってしまう懸念もあるため、無料SSL機能を提供しないレンタルサーバーもあります。
また、無料で利用できるSSL証明書として「Let’s Encrypt」が最も普及しています。この「Let’s Encrypt」 が提供している証明書発行APIを利用した自動更新機能をレンタルサーバーに設置した場合、証明書自体は無料で導入することができますが、システムの開発/運用に多くのコストが掛かる場合があります。無料SSL機能はレンタルサーバーの標準機能の1つになりつつありますが、導入することがビジネス的に難しいレンタルサーバーがあるのも事実です。
利用できる証明書の種類(DV/OV/EV)に制限がある
プランによってDV証明書しか利用できないレンタルサーバーもあります。この場合、上位プランや法人向けプランではOV/EV証明書を利用できることがほとんどです。昨今、企業はEV証明書という流れが加速していますので、こういった制限の有無にも気をつける必要があります。
レンタルサーバー選びの基準の一つになるが、各社の差が大きいSSL機能
レンタルサーバーを選ぶ際、これまではディスク容量や転送量、処理速度などを比較して選ぶことが多かったと思います。機能的な違いに関しては、多くのレンタルサーバーではあまり大きな差が見られなかったため、気にする人は少なかったかもしれません。ところが、SSL機能に関しては各社で差が大きく出ている機能の一つです。契約してみたら証明書の持ち込みができなかった!ということを避けるためにも、事前にレンタルサーバーの機能をよく比較しておきましょう。
さくらのレンタルサーバのSSL機能は?
さくらのレンタルサーバでは、ここに挙げた機能のうちワイルドカード証明書とマルチドメイン証明書の利用はできませんが、それ以外の機能はすべて利用できます。証明書の差し替え機能も備わっているため、ダウンタイム(サイトの停止時間)無しで証明書の更新や切り替えができるのもポイントです。Webページの表示速度が向上する次世代プロトコル「HTTP/2」にも対応しています。SSL機能も充実している、さくらのレンタルサーバをぜひご検討ください。